ダニの話
じめじめムシムシの梅雨真っ只中、皆さま元気にお過ごしですか? 昨日今日は梅雨の晴れ間で、久しぶりに爽やかな朝を迎えることができましたね🎵 梅雨明けはまだかしら・・・洗濯物の部屋干しは、もう飽きましたわ(笑)。
それから、この時期ダニも気になりませんか? (イラストが気持ち悪くてごめんなさい)
我が家では、家族で唯一"ダニにくわれた"お方の指示で、寝室のダニ駆除を本人不在の中、私が実施致しました。駆除自体は、閉め切ってシューっとやって1時間くらい放置しとけばよいので簡単ですが、その後が大変なのよ! 換気して、寝具とかベッドとか掃除機かける大変さを知ってますか!って感じ。 梅雨の雨降りの中、蒸し暑いし、だるいし、頭痛くなるし...(若干熱中症気味)
ダニにくわれた位で大騒ぎして何さ! マダニに咬まれたら、そんなもんじゃ済まないんだよ!!
心の中で叫んだ私でした。
という事で今回は、マダニに咬まれることで発症する可能性のある、 重症熱性血小板減少症候群(以下、SFTS)の話を致します。
最近、新聞やテレビのニュースでも報道されていますし、皆さんも耳にしたことがあると思いますが、SFTSとは、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。ダニ媒介感染症にはSFTS以外に、マダニによって媒介される日本紅斑熱、ダニの一種であるツツガムシにより媒介されるつつがむし病等もあります。
SFTSは2011年に初めて特定され、2013年1月に国内で初めての症例が確認されました。そして我が宮崎県は、SFTSの患者さんが全国で最も多いのです。
SFTSは、マダニに咬まれて6日から2週間程度の潜伏期間を経て、主に発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、下痢、腹痛)が出現します。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん)、リンパ節腫脹、呼吸器症状、出血症状(紫斑、下血)を起こします。血液検査では、白血球減少、血小板減少、AST/ALT/LDHの上昇が認められ、重症化して死亡する事もあります。
治療は対照的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。現在、国内メーカーにより治療薬の開発が進められているところです。
SFTSの公開セミナーに参加する機会があったのですが、多くの医師、獣医師、医療スタッフ以外に一般の方の姿もあり、あらためて関心の高さを実感しました。
セミナーでは、人における症例報告、獣医師によるマダニの生態についての説明や動物感染の報告がありました。その中で衝撃を受けたのが、
『マダニは山の中だけではなく、確実に私たちの生活圏内(街中)にもいる』
という事。ペットの犬や猫にも発症の可能性があり、人と同じような臨床所見が見られるそうで、ペットを飼っている者の責任としてマダニ対策の重要性を強く感じました。
動物病院の医師からは、ペットで発症し入院が必要になった場合、どのような対応をすればよいか、大学(動物)病院は受け入れてくれるのか等の質問がありました。個人の動物病院では隔離設備が整っていない事やスタッフの感染予防、飼い主への対応など多くの問題があり、ペットや動物におけるSFTS発症時の対策が今後の課題のようです。
とにかく マダニに咬まれない!
咬まれた後は様子を見て、具合が悪くなったら
早めに医療機関を受診する!
「昔から 何回も咬まれちょっかぃ 大丈夫やが~」 「ちっと だりぃだけじゃかぃ 寝ちょけば治るっちゃが~」 「腹の具合が悪ぃっちゃけんどん 母ちゃんの梅干し食べれば治るっちゃが~」
なんて、てげてげ考えちょっと大ごつよ!! マダニに咬まれず、症状もなければ心配ありません。 しかし、何事も心構えと早めの対策が大切です。春から秋にかけてはマダニ類の活動が盛んな時期ですので、野外で活動される方は十分ご注意なさって下さい。
マダニ対策など詳しい情報は、厚生労働省や国立感染症研究所、県のホームページ等に掲載されていますので、是非参考にして下さい。
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